大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和40年(レ)477号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕ところで控訴人は右のような期限付合意解約が借家法第六条にいう不利な条件に該当し無効なものであると主張するが、いわゆる家屋賃貸借の期限付合意解約は、借家法第一条の二、第二条を脱法する目的でなされた場合等これを不当とする特段の事情のないかぎり許容され、借家法第六条にいう不利な条件に該当しないものと解すべきである。これを本件についてみると、当審における控訴人本人尋問の結果によれば、控訴人が病気の妻をかかえて他に移転するに要する十分な資力もないことが認められるけれども、本件建物が既に朽廃し改築する必要があり、控訴人も右朽廃の事実を認めた上で松本豊吉に対しその明渡猶予を求めて本件期限付合意解約を約定するに及んだものであるから、右期限付合意解約は借家法第一条の二、第二条を脱法する目的で付されたものでもないので、控訴人が明渡につき差し当つて困難する右の状況にあるとの一事をもつてこれを無効なものということはできない。(石原辰次郎 長利正己 鬼頭季郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!